平成12年5月31日 建設省告示第1419号

 

遊戯施設の構造耐力上安全な構造方法及び構造計算、遊戯施設強度検証法の対象となる

遊戯施設強度検証法並びに遊戯施設の周囲の人の安全を確保することができる

構造方法を定める件

 

 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第144条第一号イ及びロ、同条第二号において準用する第129条の4第1項第二号及び第2項並びに第144条第七号の規定に基づき、遊戯施設の構造耐力上安全な構造方法及び構造計算、遊戯施設強度検証法の対象となる遊戯施設、遊戯施設強度検証法並びに遊戯施設の周囲の人の安全を確保することができる構造方法を次のように定める。

第1 建築基準法施行令(以下「令」という。)第144条第一号イに規定する構造耐力上安全な構造方法は、組積造、補強コンクリートブロック造又は無筋コンクリート造以外の構造で、令第36条の2から第39条までの規定によるほか、次に掲げる基準に適合したものとする。

主要な支持部分のうち木造の部分にあっては、令第40条から第42条まで、第44条、第46条第1項及び第2項並びに第47条に規定する基準

主要な支持部分のうち鉄骨造の部分にあっては、令第3章第5節に規定する基準

主要な支持部分のうち鉄筋コンクリート造の部分にあっては、令第3章第6節に規定する基準

主要な支持部分のうち鉄骨鉄筋コンクリート造の部分にあっては、令第3章第6節の2に規定する基準

主要な支持部分のうち令第80条の2の規定に基づき建設大臣が安全上必要な技術的基準を定めたものにあっては、その技術的基準

主要な支持部分のうち繊維強化プラスチックその他これに類する材料は、軌道(軌道を支える部分を除く。)で摩損又は疲労破壊が生じにくい部分に限り用いるものとし、厚さがおおむね5o以上のものを用いること。

第2 令第144条第一号ロに規定する構造計算の基準は、次のとおりとする。

次項に規定する荷重及び外力によって遊戯施設の主要な支持部分に生ずる力を計算すること。

前号の主要な支持部分の断面に生ずる長期及び短期の各応力度を次の表に掲げる式によっ て計算すること。

 

力の

種類

荷重及び外力について想定する状態

一般の場合

令第86条第2項ただし書の規定によって特定行政庁が指定する多雪区域における場合

備  考

長期に生ずる力

常時

G+P+W

G+P+W

高さが15m以下の遊戯施設にあっては、Wを省略することができる。

積雪時

G+P+W+0.7S

高さが15m以下の遊戯施設にあっては、Wを省略し、積雪時に運行をしない遊戯施設にあっては、Pを省略することができる。

短期に生ずる力

積雪時

G+P+S

G+P+S

積雪時に運行をしない遊戯施設にあっては、Pを省略することができる。

暴風時

G+P+W

G+P+W

遊戯施設の転倒、柱の引抜き等を検討する場合においては、Pについては、遊戯施設の実況に応じて積載荷重を減らした数値によるものとし、暴風時に利用をしない遊戯施設にあっては、暴風時におけるPを省略することができる。

G+P+0.35S+W

地震時

G+P+K

G+P+0.35S+K

 

 この表において、G、P、S、W及びKは、それぞれ次の力(軸方向力、曲げモーメント、せん断力等をいう。)を表すものとする。

    G 次項第一号に規定する固定荷重によって生ずる力

    P 次項第二号に規定する積載荷重によって生ずる力

    S 次項第三号に規定する積雪荷重によって生ずる力

    W 次項第四号に規定する風圧力によって生ずる力

    K 次項第五号に規定する地震力によって生ずる力

 

第一号の主要な支持部分ごとに、前号の規定によって計算した長期及び短期の各応力度が、それぞれ第3項の規定による長期に生ずる力又は短期に生ずる力に対する各許容応力度を超えないことを確かめること。

 遊戯施設の構造計算をする場合においては、次に掲げる荷重及び外力を採用しなければならない。

遊戯施設の固定荷重は、当該遊戯施設の実況に応じて定めたものにしなければならない。この場合において、可動部の荷重にあっては当該遊戯施設の走行又は回転により生ずる衝撃による荷重を割り増して定めなければならない。ただし、別表第1の遊戯施設の種類に応じて定常走行速度(積載荷重を作用させて運転する場合の最高走行速度をいう。以下同じ。)及び勾配がそれぞれの欄に掲げる数値以下の遊戯施設及び別表第2の遊戯施設の種類に応じて定常円周速度(積載荷重を作用させて運転する場合の最高円周速度をいう。以下同じ。)及び傾斜角度がそれぞれの欄に掲げる数値以下の遊戯施設(以下「別表に掲げる遊戯施設」という。)にあっては、当該遊戯施設の実況に応じて定めた固定荷重に、それぞれの割増係数の欄に掲げる係数を乗じたものとすることができる。

遊戯施設の客席部分の積載荷重は、客席部分の種類に応じて、次に定める数値以上で当該遊戯施設の実況に応じて定めたものに、当該遊戯施設の走行又は回転により生ずる衝撃による荷重を割り増して定めなければならない。ただし、別表に掲げる遊戯施設にあっては、当該遊戯施設の実況に応じて定めた積載荷重に、それぞれの割増係数の欄に掲げる係数を乗じたものとすることができる。

イ 座席を有する客席部分にあっては、1座席につき640Nとして計算した数値(小児専用のものにあっては、使用条件により当該荷重を1/2まで低減した数値)

ロ イ以外の客席部分にあっては、床面積1uにつき3,600Nとして計算した数値

積雪荷重は、令第86条に基づき算定した数値を用いなければならない。

風圧力は、令第87条に基づき算定した数値を用いなければならない。ただし、長期に生じる力を算定する場合にあっては、同条第2項のVの値を15とすることができる。

地震力は、令第88条第1項、第2項及び第4項に基づき算定した数値を用いなければならない。

3 遊戯施設の次の表の上[左]欄に掲げる部分に使用する材料の許容応力度は、当該材料の破壊強度をそれぞれ同表の中欄及び下[右]欄に掲げる数値で除した数値に、これ以外の部分に使用する材料の許容応力度は、令第3章第8節第3款に定める許容応力度によらなければならない。ただし、国土交通大臣がその材料の種類に応じて指定したものにあっては、国土交通大臣が指定した数値によることができる。

 

 

長期に生ずる力に対する許容応力度の算定に用いる数値

短期に生ずる力に対する許容応力度の算定に用いる数値

客席部分

.

.

動荷重を直接支持する柱またははり

木材の部分

.

.

鋼材の部分

.

.

コンクリートの部分

.

.

繊維強化プラスチックその他これに類するものの部分

.

.

プランジャー、シリンダーその他の可動部分、機械部分及び圧力配管

.0(脆性金属にあっては、10)

.0(脆性金属にあっては、3.3)

油圧ゴムホース

.

.

 

第3 令第144条第二号において準用する第129条の4第1項第二号の遊戯施設強度検証法の対象となる遊戯施設は、客席部分を鎖でつる遊戯施設及び客席部分を支える主要な支持部分を主索又は鎖でつる遊戯施設とする。

第4 遊戯施設強度検証法については、次の各号に定めるところによる。

一 令第144条第二号において準用する第129条の4第2項第二号に規定する α の数値は、別表に掲げる遊戯施設について、その種類に応じて、それぞれ割増係数の欄に掲げる数値に2を乗じた数値とする。

二 令第144条第二号において準用する第129条の4第2項第二号に規定する α の数値は非常止め装置が設けられたもので、かつ、その非常止め装置の作動による衝撃が主索又は鎖にかかる力を増す方向に働くものにあっては固定荷重と積載荷重による力にその衝撃を加えた数値を固定荷重と積載荷重の和で除した値とし、その他のものにあっては1.0とする。

三 イに掲げる主索及びその端部についての令第144条第二号において準用する第129条の4第2項第三号に規定する常時及び安全装置作動時の設置時及び使用時の安全率(以下「安全率」という。)は、ロに定める数値とし、第144条第二号において準用する第129条の4第2項第四号に規定する設置時及び使用時の限界安全率(以下「限界安全率」という。)は、ハに定める数値とする。

イ 主索及びその端部並びに綱車又は巻胴の直径は、次に掲げるものであること。

() 主索は、建築基準法(昭和25年法律第201号)第37条第一号の規定に基づき指定された日本工業規格に適合するもの又は同条第二号に基づき国土交通大臣の認定を受けたものとすること。

() 主索の直径は、10o(巻胴式の駆動装置に用いる主索にあっては、8o)以上とすること。

() 端部は、シンブルを使用したクリップ止め(3箇所以上止める方法に限る。)その他

これに類する方法により緊結すること。

() 綱車又は巻胴の直径は、主索の直径の40倍以上とすること。ただし、巻胴式の駆動装

置に用いる案内用の綱車にあっては、主索の直径の20倍以上とすることができる。

ロ 主索及びその端部に係る安全率は、次の表に定める数値とする。

() 主索

全率

安全装置作動時の安全率

設置時

使用時

設置時

使用時

.

.

.

.

() 主索の端部

常時の安全率

安全装置作動時の安全率

設置時

使用時

設置時

使用時

.

.

.

.

ハ 主索及びその端部に係る限界安全率は、次の表に定める数値とする。

() 主索

設置時の限界安全率

使用時の限界安全率

.

.

() 主索の端部

設置時の限界安全率

使用時の限界安全率

.

.

イに掲げる鎖及びその端部に係る安全率は、ロに定める数値とし、限界安全率は、ハに定める数値とする。

イ 鎖及びその端部は、次に掲げるものであること。

() 鎖は、ローラーチェーンその他これに類するものであること。

() 端部は、鋼製留金具により緊結すること。

ロ 鎖及びその端部に係る安全率は、次の表に定める数値とする。

常時の安全率

安全装置作動時の安全率

設置時

使用時

設置時

使用時

.

.

.

.

ハ 鎖及びその端部に係る限界安全率は、次の表に定める数値とする。  

  設置時の限界安全率

使用時の限界安全率

.

.

第5 令第144条第七号に規定する当該遊戯施設の周囲の人の安全を確保することができる構造方法は、次のとおりとする。

運転開始及び運転終了を知らせる装置を設けること。

遊戯施設への人の乗降は、客席部分を停止させて行う構造とすること。ただし、乗降部分において客席部分の乗降部分の床に対する毎分の速度が20m以下で安全上支障がない場合にあっては、この限りでない。

非常止め装置が作動した場合に、客席にいる人を安全に救出することができる位置へ客席部分を移動するための手動運転装置又は客席にいる人を安全に救出することができる通路その他の施設を設けること。ただし、構造上客席にいる人が安全に避難することができる遊戯施設にあっては、この限りでない。

遊戯施設には、次に定めるところにより、安全柵を設けること。

イ 安全柵は、客席にいる人以外の人が遊戯施設の可動部分に触れるおそれのない位置及び地盤面からの高さが2m以上のプラットホームを設ける場合にあっては、その外周に設け、かつ、その高さを110p以上とすること。

ロ 安全柵は縦柵で人が容易にくぐり抜けることのできない構造のものその他の人が容易に乗り越え、かつ、くぐり抜けることのできないものとすること。

ハ 安全柵の出入口は戸その他これに類するものを設け、次号の運転室から十分見通しのよい位置に設けるか、又は管理者以外の者が容易に開放することのできない構造と すること。

遊戯施設の運転室は、運転を行うために十分見通しのよい位置に設け、かつ、人の乗降を監視できる構造とすること。

駆動装置は、次のように設けること。

イ 油圧パワーユニット(ポンプ、流量制御弁、逆止弁、安全弁及び主モーターを主たる構成要素とするユニットをいう。)を遊戯施設ごとに設ける等一の駆動装置の異常が他の遊戯施設に及ばないように設けること。

ロ 油圧式の駆動装置の圧力配管に有効な圧力計を設けるほか、保守点検に必要な装置を設けること。

ハ 駆動装置のうち地震その他の震動及び衝撃により異常な作動をするおそれのあるものにあっては、地震その他の震動及び衝撃を緩和するための措置を講ずること。

 

 

別表第1                                                                        

 

遊戯施設の種類

定常走行速度

(単位km/h)

勾配(四)項以外にあっては最大勾配とし、()項にあっては平均勾配とする。以下同じ。(単位 )

割増係数

()

勾配が5度未満の軌道を走行するもの

40

.5(ゴムタイヤの使用等振動を減少させる構造とした場合は、1.2)

()

軌条を走行するもので()項以外のもの

100

50

.0(ゴムタイヤの使用等振動を減少させる構造とした場合は、1.5)

()

軌条を有さない軌道を走行するもので()項以外のもの

60

40

.0(ゴムタイヤの使用等振動を減少させる構造とした場合は1.5、水路部分は1.3)

()

水を流した水路を人が直接滑走するもの

曲線部分を有しないものにあっては30、その他のものにあっては15

.

()

客席部分をつり昇降させるもの

18

90

.

別表第2                                                                            

 

遊戯施設の種類

定常円周速度

(単位 m/min

傾斜角度

(単位 度)

割増係数

()

客席部分が主索によりつるされ、かつ、垂直軸又は傾斜した回転軸の周りを一定の速度で回転するもの

600

15

.

()

客席部分が垂直軸又は傾斜した回転軸の周りを一定の速度で回転するもの(客席部分をゆるやかに上下動させるものを含む。)

270

15

.3(客席部分が上下動しないものにあっては1.2)

()

客席部分が、垂直軸又は傾斜した回転軸の周りを回転するもので()項又は()項に掲げるもの以外のもの

500

15

.

()

客席部分が固定された水平軸の周りを一定の速度で回転するもの

40

.

()

客席部分が可変軸の周りを一定の速度で回転するもの(客席部分をゆるやかに上下動させるものを含む。)

680

90

.

()

客席部分が可変軸の周りを回転するもので()項以外のもの

500

30

.

()

客席部分が垂直平面内のうち当該円の中心点より低い部分において回転運動の一部を反復して行うもの

800

.

 

附 則

この告示は、平成12年6月1日から施行する。

 

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