平成12年5月31日 建設省告示 第1423号

 

エレベーターの制動装置の構造方法を定める件

(略称:制動装置告示)

 

改正 平成14年5月31日 国土交通省告示 第480号

改正 平成21年8月4日国土交通省告示第859号附則による改正

 

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の10第2項の規定に基づき、エレベーターの制動装置の構造方法を次のように定める。

 

エレベーターの制動装置の構造方法は、次に定めるものとする。

第1 かごを主索でつり、その主索を綱車又は巻胴で動かすエレベーターの制動装置の構造方法は、次の各号に掲げるエレベーターの区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるものとする。

かごが停止する最上階にこれが停止したときのかごの枠の上端から昇降路の頂部にある床又ははりの下端までの垂直距離(以下「頂部すき間」という。)が次に掲げる基準のいずれかに該当し、かつ、かごが停止する最下階の床面から昇降路の底部の床面までの垂直距離(以下「ピットの深さ」という)が、イに掲げる基準に該当するエレベーター(第二号に掲げる基準に該当するエレベーターを除く) 第2に定める構造方法

イ 頂部すき間及びピットの深さが、かごの定格速度に応じて、次の表に定める数値以上であること。ただし、ピットの深さを第2第六号に定める緩衝器を設置することができる数値以上とする場合にあっては、当該数値以上とすることができる。

かごの定格速度

頂部すき間(単位 m)

ピットの深さ(単位 m)

 45m以下の場合

.

.

 45mを超え、 60m以下の場合

.

.

 60mを超え、 90m以下の場合

.

.

 90mを超え、120m以下の場合

.

.

120mを超え、150m以下の場合

.

.

150mを超え、180m以下の場合

.

.

180mを超え、210m以下の場合

.

.

210mを超え、240m以下の場合

.

.

240mを超える場合

.

.

ロ イにかかわらず、主索のかごをつる側の反対側につり合おもりをつる構造のエレベータ

ーの頂部すき間の基準にあって()又は()に掲げる場合に応じ、それぞれ()又は()の式によって計算した数値以上と、巻胴式エレベーターの頂部すき間の基準にあってはかごが停止する最上階を超えて上昇した場合においてもかごが昇降路の頂部に衝突しない数値以上とすることができる。

() 緩衝器を()以外のものとした場合及び緩衝器を設けずに緩衝材を設けた場合

      H=S+R+V/720 +C  

     () 緩衝器を第2第六号ロに定めるものとした場合

     H=S+R+V/1,068+C

()及び()の式において、H、S、R、V及びCの値は、それぞれ次の数値を表すものとする。

H:頂部すき間(単位 p)

S:つり合おもり側の緩衝器のストローク又は緩衝材の厚さ(単位 p)

R:かごが最上階に停止した場合におけるつり合おもりとつり合おもり側の緩衝器又は緩衝材のすき間の垂直距離(単位 p)

V:かごの定格速度(単位 m/min

C:かご上で運転をする場合で頂部安全距離1.2m以上を確保し、かつ、頂部安全距離以上のかごの上昇を自動的に停止するリミットスイッチを設けた場合又はかご上で運転をしない場合においては2.5、それ以外の場合においては60(単位 p)

次に掲げる基準に該当するエレベーター 第3に定める構造方法

イ 昇降行程が5m以下であること。

ロ かごの定格速度が15m以下であること。

ハ かごの床面積が1.5u以下であること。

ニ 頂部すき間及びピット深さが前号に掲げる基準に該当すること。

第2 第1第一号に定めるエレベーターの制動装置の構造方法は、次に掲げる安全装置を設けた構造とすることとする。

一 かごを昇降路の出入口に自動的に停止させる装置又は操縦機の操作をする者が操作をやめ

た場合において操縦機がかごを停止させる状態に自動的に復する装置

二 かごの速度が異常に増大した場合において毎分の速度が定格速度に相当する速度の1.

(かごの定格速度が45m以下のエレベーターにあっては、63m)を超えないうちに動力を自動的に切る装置

三 動力が切れたときに惰性による原動機の回転を自動的に制止する装置

四 次のイ又はロに定める装置

イ かごの降下する速度が第二号に掲げる装置が作動すべき速度を超えた場合(かごの定格速度が45m以下のエレベーターにあっては、かごの降下する速度が同号に掲げる装置が作動すべき速度に達し、又はこれを超えた場合)において毎分の速度が定格速度に相当する速度の1.4倍(かごの定格速度が45m以下のエレベーターにあっては、68m)を超えないうちにかごの降下を自動的に制止する装置(かごの定格速度が45mを超えるエレベーター又は斜行式エレベーターにあっては次第ぎき非常止め装置、その他のエレベーターにあっては早ぎき非常止め装置又は次第ぎき非常止め装置に限る。ロにおいて同じ。)

ロ 積載荷重が3,100N以下、かごの定格速度が45m以下で、かつ、昇降行程が13m以下のエレベーターにあっては、主索が切れた場合においてかごの降下を自動的に制止する装置

五 かご又はつり合おもりが昇降路の底部に衝突しそうになった場合においてこれに衝突しないうちにかごの昇降を自動的に制御し、及び制止する装置

六 次のイ又はロ(かごの定格速度が60mを超える場合にあっては、ロ)に掲げる装置。ただし、かごの定格速度が30m以下で、かごの降下する毎分の速度が定格速度に相当する速度の1.4倍を超えないうちにかごの降下を自動的に制止する装置を設けたエレベーターにあっては、適当な緩衝材又は緩衝器とすることができる。

イ ストロークがかごの定格速度に応じて次の表に定める数値以上であるばね緩衝器

かごの定格速度

ストローク(単位 p)

30m以下の場合

.

30mを超え、45m以下の場合

.

45mを超え、60m以下の場合

10.

ロ ストロークが次の式によって計算した数値以上である油入緩衝器

         L=V/534

       この式において、L及びVは、それぞれ次の数値を表すものとする。

          L:ストローク(単位 p)

          V:かごの定格速度(単位 m/min

七 巻胴式エレベーターにあっては、主索が緩んだ場合において動力を自動的に切る装置

第3 第1第二号に定めるエレベーターの制動装置の構造方法は、次のいずれかに掲げる構造とすることとする。

一 主索が切れた場合においてかごの降下を自動的に制止する安全装置を設けること。

二 第二第一号、第三号、第五号及び第七号に掲げる安全装置を設けること。

第4  かごを主索又は鎖を用いることなく油圧により直接動かすエレベーター(以下「直接式油圧エレベーター」という。)の制動装置の構造方法は、次の各号(かごの定格速度が30m以下の直接式油圧エレベーターその他安全上支障がない直接式油圧エレベーターにあっては、第二号ハを除く)に定めるものとする。

一 昇降路の頂部すき間を、プランジャーの余裕ストロークによるかごの走行距離に2.5pを加えた数値以上とすること。

二 次に掲げる安全装置を設けること。

イ かごの上昇時に油圧が異常に増大した場合において、作動圧力(ポンプからの吐出圧力をいう。以下同じ。)が常用圧力(積載荷重を作用させて定格速度で上昇中の作動圧力をいう)の1.5倍を超えないようにする装置

ロ 動力が切れた場合に油圧ジャッキ内の油の逆流によるかごの降下を自動的に制止する装置

ハ 油温を摂氏5度以上摂氏60度以下に保つための装置

ニ プランジャーのシリンダーからの離脱を防止するための装置

ホ 電動機の空転を防止するための装置

へ かご上運転をする場合において、頂部安全距離1.2m以上を確保し、頂部安全距離以上の

かごの上昇を自動的に制御するための装置

ト 第2第六号に掲げる装置

第5  かごを主索又は鎖でつり、その主索又は鎖を油圧で動かすエレベーターの制動装置の構造方法は、次に定めるものとする。

一 昇降路の構造を次に定めるものとすること

イ 頂部すき間が、次の式によって計算した数値以上であること。

     H=S+V/706+2.

      この式において、H、S及びVは、それぞれ次の数値を表わすものとする。

H:頂部すき間(単位 p)

S:プランジャーの余裕ストロークによるかごの走行距離(単位 p)

V:かごの定格速度(単位 m/min

ロ ピット深さが第1第一号(同号イの表中の「かごの定格速度」にあっては「かごの下降定格速度(積載荷重を作用させて下降する場合の毎分の最高速度をいう。)」と読み替える。)に規定するピット深さであること。

二 第2第五号及び第4第二号に掲げる安全装置及び次に掲げる安全装置を設けたものとする

こと

イ 第2第四号イ又はかごの定格速度が45m以下のエレベーターにあっては主索が切れた場

合においてかごの降下を自動的に静止する装置

ロ 主索又は鎖が緩んだ場合において動力を自動的に切る装置

ハ 主索又は鎖が伸びた場合において、プランジャーの行過ぎを防止する装置。ただし、プ

ランジャーの余裕ストロークにより安全上支障ないものにあっては、この限りでない。

第6 段差解消機(平成12年建設省告示第1413号第1第九号に定めるエレベーターをいう。)の制動装置の構造方法は、次に掲げる装置を設けた構造とすることとする。

一 動力が切れた場合にかごの降下を自動的に制止する装置

二 主索又は鎖が切れた場合に自動的に停止する構造の場合を除き、かごの降下を自動的に制止する装置

三 かごを油圧により動かす段差解消機にあっては、第4第二号イからへまでに掲げる装置

四 かごを主索又は鎖でつり、その主索又は鎖を油圧で動かすエレベーターにあっては、第5第二号ロ及びハに掲げる装置

五 かご又はつり合おもりが昇降路の底部に衝突しそうになった場合においてこれに衝突しないうちにかごの昇降を自動的に制御し、及び制止する装置

六 かごが昇降路の底部に衝突した場合においても、かご内の人が安全であるように衝撃を緩和する緩衝器又は緩衝材

七 乗降口及びかご内においてかごの昇降を停止させる装置

第7 いす式階段昇降機(平成12年建設省告示第1413号第1第十号に定めるエレベーターをいう。)の制動装置の構造方法は、次に掲げる装置を設けた構造とすることとする。

一 操縦機の操作をする者が操作をやめた場合において操縦機がかごを停止させる状態に自動的に復する装置

二 主索又は鎖が緩んだ場合において動力を自動的に切る装置

三 動力が切れたときに惰性による原動機の回転を自動的に制止する装置

四 かご又はつり合おもりが昇降路の底部に衝突しそうになった場合においてこれに衝突しないうちにかごの昇降を自動的に制御し、及び制止する装置

五 主索又は鎖が切れた場合においてかごの降下を自動的に制止する装置

 

附 則

この告示は、平成12年6月1日から施行する。

 

 

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